AI活用の相談でいちばん多いつまずきは、ツール選びでも料金でもなく、「すごいプロンプトを作ろうとして、続かない」ことです。
ぼく自身がそうでした。何でも答えてくれる万能の指示文を作り込んでは、結局使わなくなる。それを何度か繰り返して、やり方を変えました。結論から書くと、最初に作るべきは万能プロンプトではなく「1業務1テンプレ」——ひとつの業務に、ひとつの型を固定することです。
万能プロンプトが続かない理由
「何でもできる」は「どの業務にも固定されていない」と同じ意味です。使うたびに状況を説明し直し、出てきた結果を毎回手直しする。この判断コストが残っている限り、忙しい日にはAIを開かなくなります。そして忙しい日こそ、本当は助けてほしい日です。
建設現場でいえば、万能工具をひとつ腰に下げるより、使う場所に専用工具が置いてあるほうが早い。それと同じで、AIも「どこで・何に使うか」が固定されて初めて道具になります。
「1業務1テンプレ」とは
ひとつの業務に対して、入力と出力を固定した型をひとつだけ作ることです。ぼくが最初に固定したのは、この2本でした。
- 打合せ後、5分で議事録を要約する型
- 翌朝、今日やるタスクを自動で通知する型
派手さはゼロです。ただ、この2本を固定しただけで、残業後にいちばん重かった「次に何をやるか考える」という意思決定コストが消えました。RPGでいう初期装備の強化。地味だけど、ここが後半の火力になります。
作り方の3ステップ
- 週に2回以上やっている業務をひとつ選ぶ。ぼくのルールは「2回やる作業は仕組みにする」です。頻度の高い業務ほど、型にしたときの回収が早い。
- 入力と出力を固定する。「何を渡すと、何が返ってくるか」を1行で言えるまで絞ります。例:「打合せの録音メモを渡すと、決定事項と担当者つきのタスク一覧が返る」。1行で言えないうちは、まだ業務の切り出しが大きすぎます。
- 5回使ってから直す。最初から完成させない。現場の是正と同じで、使って出た不具合だけを直すほうが、机上で作り込むより早く仕上がります。
まとめ:最初の型はどこに作るか
「議事録の要約」か「朝のタスク通知」——迷ったらこのどちらかをおすすめします。どんな業種でも打合せと段取りはあるので、外れにくい。そして1本目が回り始めると、「次はあの業務も型にできるな」と自分で見えてくるようになります。そこからが本番です。